研究室・構成員

無機 – 分析化学系

錯体化学 [ホームページ]

 金属錯体は、多様な電子状態・スピン状態を有する金属イオンと、設計性に富んだ有機配位子とから構成されています。これらを組み合わせることにより、無機物や有機物のみでは現われない性質を示したり、機能を発現します。さらに、配位子の修飾によって、一次元~三次元的な配列をもつナノ錯体や、複数の金属錯体ユニットが様々な距離・配向で相互作用する複合分子系を設計できます。私達の研究室ではこれらの物質群を中心に新しい光・酸化還元・磁気的性質の解明・機能物質の開拓を目指して研究を行っています。

  1. 光機能性金属ポルフィリン錯体の合成と機能評価
  2. 新規近赤外光色素材料の設計
  3. 金属錯体・複合分子系における光励起ダイナミクス
  4. 軸不斉をもつキラル化合物の円偏光発光特性
職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授杉浦 健一
Ken-ichi SUGIURA
565号室042-677-25503574
准教授石田 真敏
Masatoshi ISHIDA
553号室※ 23575

環境・地球化学 [ホームページ]

 大気中に微粒子が浮遊している系をエアロゾルと呼びます。エアロゾル粒子の大きさは数nmから100 μm程度まで広範囲に及び、その化学組成は発生源や生成過程によって大きく変わります。エアロゾルは都市大気における主要な大気汚染物質であると同時に、太陽光を遮ることで気候変動にも大きな影響を及ぼします。私たちの研究室では、新しいエアロゾル組成分析装置の開発を基盤とし、大気エアロゾルの生成過程を解明することを目指しています。

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授竹川 暢之
Nobuyuki TAKEGAWA
366号室042-677-25323446
准教授茂木 信宏
Nobuhiro MOTEKI
365号室042-677-25313445
助教芝本 幸平
Kohei SHIBAMOTO
365号室042-677-25313445
助教三澤 健太郎
Kentaro MISAWA
365号室042-677-25313445

無機化学 [ホームページ]

 無機化学研究室では、クラスターを中心とした機能性材料の開発に関する研究及び宇宙・地球物質といった無機物質の元素分析に関する研究を行っている。機能性材料の開発では、金属原子100個以下で構成された金属及び金属酸化物クラスターを新規に合成し、その幾何構造、光学特性、熱的性質の解明およびこれら材料の触媒・デバイス応用を行っている。また、X線吸収分光法を中心とした放射光分光により、これらクラスター材料の機能発現機構の解明を幾何構造・電子状態の観点から進めている。無機物質の元素分析に関する研究では、放射化分析法や誘導結合プラズマ(ICP)質量分析法やICP原子発光分析法を用いた元素分析を通して、地球誕生以降、現在に至るまでの宇宙・地球化学的、及び環境化学的諸過程の解明を行っている。

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授山添 誠司
Seiji YAMAZOE
568号室042-677-25533577
准教授大浦 泰嗣
Yasuji OURA
567号室※ 23576
准教授河底 秀幸
Hideyuki KAWASOKO
561号室042-677-25483572
助教吉川 聡一
Soichi KIKKAWA
561号室042-677-25483572

同位体化学 [ホームページ]

 同位体化学研究室はメスバウアーグループとフラーレングループから構成されています。いずれのグループも放射性同位元素(RI)を取扱うために必要な教育訓練を受けた後、RI研究施設で実験を行います。メスバウアーグループでは主として鉄メスバウアー分光法を用いて機能性ガラスセラミックスの組成-物性-構造の相関解明研究を行っており、最近取り組んでいる研究テーマは1)高い導電性を持つバナジン酸塩ガラスの開発とその高性能二次電池正極材への応用、2) 鉄イオン含有ケイ酸塩の構造と可視光応答型光触媒作用との相関解明、3) 金属鉄および酸化鉄ナノ粒子合成法の開発とその有機物分解機構の解明などがあります。フラーレングループでは原子核壊変に伴い放出される放射線を用いた金属フラーレンの研究を行っており、研究テーマとして、1)放射化学的手法を用いた金属内包フラーレンの基礎研究、2)核医学的応用を目指した金属内包フラーレン研究などに取り組んでいます。

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
准教授久冨木 志郎
Shiro KUBUKI
RI棟
201号室
042-677-24313921
助教秋山 和彦
Kazuhiko AKIYAMA
576号室※ 23587

 

有機 – 生物化学系

有機構造生物化学 [ホームページ]

研究テーマ1:In-Cell NMR法を用いた細胞内の蛋白質の分子動態の研究

 蛋白質や核酸などが,生きた細胞の中でどのように振舞っているのかを直接観 測することは非常に重要です.核磁気共鳴(NMR)法は,生体に対する非侵襲性が高く,不透明な試料の内部についても観測可能であることから,このような解析 に適しています.  有機構造生物化学研究室では,「In-Cell NMR法」という,従来は単離・精製した試料に用いられてきたNMRを生きている細胞に適用する方法に注目し,生細 胞中の蛋白質の立体構造とその変化,翻訳後修飾,相互作用などの直接観測法の確立を目指し研究を行っています.

研究テーマ2:高分子量蛋白質のNMR解析のための方法論的研究

 蛋白質の活性発現のメカニズムや蛋白質の相互作用のメカニズムを高次構造の 視点から原子分解能で解明することは,創薬・医療への応用という視点からも,非常に重要です.  蛋白質の立体構造情報を解析する手法としては,核磁気共鳴(NMR)とX線結晶解 析が存在しますが,NMRを用いた高分子量蛋白質の解析は未だに困難なままです. NMRによって得られる水溶液中の構造情報と,結晶構造の情報は相補的であっ て,総合的に議論されるべきですが,そのためには,NMR法においても大きな質的な進歩が必要です.  有機構造生物化学研究室では,高分子量蛋白質のNMRによる高次構造解析を目 指した様々な方法論的開発研究を行っています.

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授伊藤 隆
Yutaka ITO
469号室042-677-25453538
准教授池谷 鉄兵
Teppei IKEYA
451号室042-677-25443525

有機化学 [ホームページ]

 当研究室では、有機金属化学や分子触媒化学を基盤に、環境調和型の精密合成プロセスを構築可能とする高性能分子触媒の設計・合成と、その特徴を生かした有機高機能材料の創成に関する研究に取り組んでいます。また、炭素-炭素結合形成などの精密合成反応を達成する上で重要な鍵を握る反応性の高い有機金属化学種の合成と反応化学に関する研究、独自の精密合成手法を基盤とした機能集積型の新規高機能材料の設計・合成と特性解析に関する研究、非可食の植物資源から分解・ケミカルリサイクル可能な高分子機能材料の開発に関する研究、優れた光・電子機能を発現する新しいπ共役系化合物の合成と特性解析にも取り組んでいます。具体的な課題は以下の通りです。

  1. 高性能分子触媒による環境調和型の効率合成法の開発や高機能材料の精密合成
  2. 高反応性有機金属化学種の合成・同定と反応化学
  3. 新しい有機高機能材料の精密合成と特性解析

内容:有機金属化学、分子触媒化学、有機合成化学、反応有機化学、新しい有機高機能材料の開発、分子触媒の特徴を生かした新規精密合成反応の開発と機構解析、新しい有機金属化学種の合成と反応化学

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授野村 琴広
Kotohiro NOMURA
473号室042-677-25473542
准教授ABDELLATIF, Mohamed Mehawed472号室042-677-25463541
助教下山 大輔
Daisuke SHIMOYAMA
374号室042-677-25373455

生物化学 [ホームページ]

 遺伝情報を担うDNA分子は、核内の「染色体」という構造をとって格納されています。染色体DNAは世代を通じ継承されるいわば生命の青写真のようなものであり、生体で機能するタンパク質を指令しています。また、細胞のガン化と染色体DNAの不安定化やDNA変異の相関が見られるなど、DNAの安定維持機構の解明は重要な課題となっています。本研究室では、分裂酵母や動物細胞(ニワトリ、ヒト)を用いた分子細胞生物学や、精製生体分子や化学物質、合成DNAを用いた生化学や生体分子分析法を学ぶことが出来ます。また、プロテオミクスの技術開発の経験を活かし、さまざまな細胞内装置に含まれる機能性RNAの実態を直接解析できる質量分析法の開発も進めています。

  • 非コードRNA転写と共役したクロマチン再編成機構の解析
  • DNAの複製、修復、分配機構の解析
  • 染色体喪失の分子機構の解析
  • 質量分析法を利用したRNAタンパク質複合体の包括的解析
  • 質量分析法を利用したRNA修飾の包括的分析手法の開発
職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授廣田 耕志
Kouji HIROTA
351号室※ 23454
准教授田岡 万悟
Masato TAOKA
449号室※ 23523

有機合成化学 [ホームページ]

 有機合成化学研究室では、高周期典型元素や遷移金属元素の持つ魅力を引き出し、これまでに知られていない分子構造、電子状態、反応性の実現を目指し研究を行っています。
 特に炭素とヘテロ原子や金属とヘテロ原子の間での多重結合、電子の授受に着目して新規分子・反応の開発を行っています。
 最近の具体的な研究トピックには以下のようなものがあります。

  1. ルイス酸性ジボリルカルベンの開発
  2. π供与性配位子を用いた低配位典型元素種の安定化
  3. 金属-配位子協働的結合切断・形成反応の開発

 軌道、結合、分子の設計に基づいた機能と反応の開発を通じて、世界に貢献する研究に取り組んでいます。

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授楠本 周平
Shuhei KUSUMOTO
375号室042-677-25283435
助教平林 一徳
Kazunori HIRABAYASHI
563号室※ 23573

 

物理化学系

物性物理化学 [ホームページ]

 物性物理化学研究室では、パルスレーザー堆積法、スパッタリング法やミスト化学気相成長法などの薄膜成長プロセスを用いた無機固体材料の開発に取り組んでいます。(1)低温非平衡下での結晶成長、基板との化学結合による構造安定化や応力の印加、人工超格子などの積層構造制御といった薄膜合成の特長を活かした準安定物質の探索、(2)合成した薄膜の化学組成や結晶構造、各種物性の評価に基づく機能発現機構の解明、(3)積層膜や微細加工を利用した電子デバイスやエネルギー変換デバイスへの応用の3つが研究の大きな柱です。主な研究対象は酸化物や窒化物ですが、酸窒化物や酸フッ化物をはじめとする複合アニオン化合物の合成や機能探索にも取り組んでいます。最近の代表的な研究テーマには以下があります。

  1. 透明導電性酸化物のエレクトロニクス応用
  2. 複合アニオン化合物の電子機能開拓
  3. 結晶中の原子配列制御技術の開発
職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授廣瀬 靖
Yasushi HIROSE
372号室042-677-25363453
准教授岡 大地
Daichi OKA
373号室042-677-25353452

反応物理化学 [ホームページ]

 化学反応素過程や衝突過程、励起過程、緩和過程などの各種素過程は、反応を記述する基本要素であり、化学反応の根源的な理解のためには、これら素過程の詳細なメカニズムの解明が不可欠です。反応物理化学研究室では、様々な素過程において分子内の電子分布や核分布が時々刻々どのように変化していくのかを解明することによって、分子素過程に対する新たな反応物理化学を構築することを目指します。そして、そのために電子線・レーザー光線・イオンビーム・X線を用いた独自の実験手法や実験装置を開発し、「これまで見えなかったものを見えるようにする」ことによって、化学反応の本質へ迫ることを目標にしています。以下に近年の主な研究例を示します。

  1. 超高速電子回折法による分子動画の測定
  2. レーザー照射走査電子顕微鏡の開発とナノ構造体測定
  3. 時間依存電子衝突物理学の開拓
  4. 捕捉イオン電子回折法による分子イオン・分子錯合体イオンの構造測定
  5. 多価イオン衝突による分子解離過程の研究
  6. 卓上静電型イオン蓄積リングによる分子冷却過程の研究
  7. 超伝導転移端センサーマイクロカロリメーターによる高分解能X線分光
職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授歸家 令果
Reika KANYA
367号室042-677-25333447
准教授奥村 拓馬
Takuma OKUMURA
368号室※ 23448
助教松本 淳
Jun MATSUMOTO
369号室※ 23451

理論・計算化学 [ホームページ]

  1. I. 遷移金属元素を含む錯体分子やナノクラスター、固体表面の電子状態を量子化学計算により詳細に解析することで、触媒の反応機構や分子物性の起源を体系的に明らかにするとともに、理論による触媒・材料設計を目指した研究テーマを進めている。
  2. II. 宇宙空間の極限的な環境下で起こる化学反応を計算化学シミュレーションによって追跡し、星形成過程における分子進化と惑星環境との関係を明らかにすることで、地球環境の成り立ちや生命の起源に迫る研究テーマを進めている。
  3. III. 様々な分子の性質や化学反応の過程を結合性の観点から理解することを目的として、電子対概念に基礎を置く電子相関法や分子波動関数の解析手法の開発とその応用に関する研究を行っている。
職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
教授中谷 直輝
Naoki NAKATANI
572号室042-677-24133543
助教中谷 佳萌
Kaho NAKATANI
575号室※ 23588

 

研究支援組織

学生実験室・準備室


 化学実験は直接物質に触れ、その性質と反応を通じて、講議や教科書・参考書で学んだ原理を体験することができる授業です。非常に初歩的ですが、一人でできる実験は、できうるかぎり一人ひとりに実験器具を与える個人実験を行っています。1年生では、定性分析、容量分析(ミネラルウォーターの分析)、天然有機物抽出(カフェイン)、有機合成(アゾ染料)、物理化学(4テーマ)を行います。
 専門実験は、分析化学、錯体合成、放射化学、生物化学、物理化学、有機合成を行っています。紫外、可視、赤外等の各種分光器や、ESR、NMR、X線回折装置等を用いて測定を行うほか、電子回路実験では、自分でIC回路を組む実習も行なわれます。
職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
非常勤講師武蔵 正明
Masaaki MUSASHI
385a号室042-677-25393462
技術小林 喜平
Kihei KOBAYASHI
385a号室042-677-25393462

元素分析室 [ホームページ]

元素分析室では、有機化合物成分主体の化学物質に含まれるC、H、Nの3つの元素を測定しています。有機化合物は主としてC、H、Nを構成元素としているものが多く、これらの構成元素の測定結果と残りの重量配分より、化学物質中の元素組成比を知ることが出来ます。元素組成比と分子量より、化合物の組成式も推定できます。主要な学術論文への投稿では、特定・新規な化合物に関してC、H、Nの元素分析値の記述が要求されます。化合物の元素分析を学内で処理できることの利点は、不安定な化合物、例えば、反応の中間生成物に関しても迅速に組成を知ることが出来るので、有機物や錯体の合成を行う上で、大変有利なのです。本学の装置は118試料分のオートサンプラーを備えているために、一度に多数の試料の分析が出来ます。元素分析はC、H、N、S、Oの他にハロゲン、その他の金属・非金属成分の分析が必要であり、元素分析室の更なる充実が今後の課題でもあります。

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
技術福岡 智子
Tomoko FUKUOKA
9号館
123号室
※ 24048

事務室

職種職員氏名居室外線直通電話内線電話
事務高橋 純子
Sumiko TAKAHASHI
476号室042-677-25243411
事務大塩 久恵
Hisae OSHIO
476号室042-677-25243410
検収田中 純子
Jyunko TANAKA
476号室042-677-25243410

※ 1 特に断りがない場合、居室は8号館の部屋番号となります。
※ 2 直通電話が記載されていない場合、代表(042-677-1111)を通して、交換に内線番号をお伝え下さい。

南大沢キャンパス8号館またはRI棟所在地

〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1
FAX 042-677-2525 (化学事務室)